撮影小話-女優「看護師(竹生子)…杉嶋美智子」

今年の一月に僕の舞台を見に来てくれて、
その後、下北で朝までご一緒し、
さぁ帰って寝るかぁ〜って思って店を出た瞬間、
杉嶋さんから、
「今日の芝居見てね…和泉さんに一つ駄目出しがあるのよ。」
「ひょぇ~」と僕が躊躇していると、
杉嶋さんは「それは今度会った時ね」と笑顔で帰って行った。
その目は笑ってなかった。

10年前に、すでに演劇界で超有名だった西牟田恵君に、
軽く「芝居のチラシのコメント書いてよ」と頼んだら、
思いっきり「それは本当に和泉君の為になるの?」
「見たことも無い旗揚げの芝居にコメントなんてできないよ」
と言われた時の目に似ていた。

ああぁぁ女優は怖い。特に芝居のいい女優は。
で、びびりながらこの間の撮影だ。
車で杉嶋さんの自宅まで迎えに行き、ロケ地横浜まで道路が混んでいるのではないか…
と待ち合わせを早めにして出発したら、
現地集合時間の1時間30前に着いてしまい。
申し訳ないなぁと思い後ろを振り向くと…寝ていた。
素顔で。無防備の女性の顔はかわいい。

でも同じ無防備でも食事している時の女性の顔は見ていて恥ずかしい。
だから女友達と二人で食事するときはだいたい横に座ってもらう。
それはいい。撮影無事終了。近くのファミレスにて食事。
ロケした病院の院長先生が15人分の予約をしてくれた。
外観は普通のファミレスだ。店に入った。店員の接客マニュアル通り。
でも笑顔なし。メニューを見た。驚いた。僕の一重まぶたが二重になった。
1500円以内の料理がないのだ。

「どうぞお好きな物を」と皆に言う僕は顔面蒼白だ。
制作の格清君は死んだフリだ。あった500円!と思ったら、ごはんセットだ。
大好きなC&Cカレーより高い。僕の地元の高松では、うどん1杯70円だ。
料理がきた。まずい。最高にまずい。
長年居酒屋や高級レストランでバイトしていたので、まずい料理とメカっぽい接客が嫌いだ。
お会計3万円。社長に借りる。話がそれた。

杉嶋さんだ。結局いまだ駄目出しなし。「あの日」の事忘れているのかな。
五月にスズナリで「宇宙堂」見た時も何も言われなかった。
よしこのまま時が過ぎるのを待とう。
看護師役…すごくはまっていた。セリフにパンチがある。
いい役者と芝居を交わすと、こちらまで上手くなった気がするからありがたい。
八月「かもねぎショット」 九月「九十九一プロデュース」
そして来年二月、本多劇場にて「宇宙堂」公演に出演。
まずは撮影の合間、「かもねぎショット」を一青さんと見に行こう〜と。