撮影小話-男優「本間仁…鳥肌実」

映画撮影中、メイキングを撮影していたら、鳥肌さんから「メイキングはちよっと…」とやんわり断られた。
僕も迂闊だった。そう鳥肌さんの「素」の部分が一般の人の目に触れる事はタブーなのだ。
鳥肌さんは「鳥肌実」を演じている。プロだ。それは撮影の時にもすごく感じた。
とにかく取り組み方が真剣で妥協がないのである。低予算の自主映画にも関わらずだ。目に力がある。
モニター越しに見る「目」が凄い。僕が東京に出てきたばかりの頃の舞台役者は、こんな目に力がある役者が溢れていた。
状況劇場、つか劇団、乾電池等。懐かしかった。今の若い役者は……。今回、僕の父親役で出演していただいたのだが、
芝居…すごく雰囲気があって良かった。どんなシーンかは、本編を見てのお楽しみで。撮影も無事に終わった。
「鳥肌実全国ツアー」が始まった。お誘いを受けて昨年九月、九段会館を拝見する。
その鳥肌さんのパフォーマンスに圧倒された。たった一人で2000人近い客を魅了するのだ。
ステージは批判精神に満ち溢れて、演劇をやっている僕も凄く刺激を受けた。
やれ、芝居では「それは引くよ〜」「それはやりすぎでしょ〜」このHPでも「あまりリアルな内容は…」
「他人をそんなに攻撃しなくても…」等、まぁいろいろ人に言われる。「ペンは剣より強し」…確かにそうなんだけど。
最近ほんの少しだけ守りに入っている僕に、鳥肌さんは非常ベルを鳴らしてくれた。
舞台に映画に「自分らしさ」「自分がやりたい表現」を追及していかないと。そう感じて九段会館を後にした。
雨が降ってきた。肌寒かった。いろいろと考え事しながら地下鉄に乗ったら逆の千葉まで行ってしまった…あぁ。